【荒川バラバラ死体事件】憎悪、怨恨、嫉妬、金銭、悪魔秡い…なぜ「バラバラ」なのか?
「バラバラ殺人の系譜」(青弓社)
著者:竜田 恵子 ¥2,100
「荒川バラバラ殺人事件」に限らず、憎悪、怨恨、嫉妬、金銭、悪魔秡い…。さまざまな理由で「バラバラ殺人」を選んだ犯人たちの姿を克明に記載しています。この本に出てくるのは明治38年に起こった「野口男三郎事件」昭和7年の「首なし娘事件」「藤沢悪魔祓い殺人」など10篇以上が収められています。
ちなみに、「バラバラ殺人」というと、ついつい思い出してしまうのがお隣り荒川区で起こった「手首ラーメン事件」です。1970年代の後半に起こった事件で知らない人も多いかもしれないんですが…。
簡単に説明すると、 暴力団同士の抗争で、ある男が対立する組織の組員をバラバラに切断。各地に埋めた後、どういうわけか手首だけを持ち去ってラーメンスープのダシ取り用に使う鍋で煮込み、指紋から身元が割れないように証拠隠滅を図ったというもの。そのラーメンが荒川付近を流していた屋台で売られていたとか。
まぁ、実際にはそんなラーメン売られることはなかったらしいんですが、その時期荒川でラーメン食った人はそりゃまぁパニック状態で大変だったとか…。
「下山事件」(新潮社)
著者:森 達也 ¥1,680
2004年2月に発行。著者の森達也氏は、主にドキュメンタリーを得意とするテレビディレクター。オウム真理教を取材し続けながら、テレビ放送できなかった番組素材を映画「A」として上映し話題となった人でもあります。
ちなみに僕は、森さんの作品としてほかに
『職業欄はエスパー 』って本も読みました。当時一斉を風靡したエスパー清田や、UFOの秋山真人などの現在をドキュメンタリーで追っていますが、これはなかな面白かったですね。
話は反れましたが、著書「下山事件」は半世紀の時を経て、著者が改め関係者たちと会って話を聞き、事件の真相に迫ろうと試みたドキュメンタリーです。出来はよいと思いますが、何か新事実がそこに隠されているのかどうかといえば、やや期待はずれな感も否めません。
むしろ著者自身が、さまざまな障害に立ち向かいくじけそうになりながらも、真実を追求しようする姿がとてもスリリングに展開されていきます。とくに、当時森氏と一緒に取材をした週刊朝日の記者が独自(勝手?)に『葬られた夏―追跡・下山事件』(下参照)を出版してしまったというんですね。そこらへのエピソードなんかはとても面白いかと思います