足立区の事件ファイル(事件簿)は、足立区で起こった事件や犯罪などの重大ニュースや大地震が発生時の足立区内の避難所、地図などの防犯・防災情報を掲載。2003年9月8日に開設しました。
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足立区の事件ファイル(事件簿)
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足立区の事件簿

エージ

  • Author:エージ
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自殺か? 他殺か? いまだ謎の残る事件
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伝説のロックシンガーの死は果たして単なる事故だったのか?
小野悦男事件(1996)
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小台殺人事件(1999)
いまだにこの凶悪犯は捕まっていない
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「借金の返済」たったそれだけのために閉ざされた女子大生の生涯
段ボール箱詰め殺人事件(2004)
風俗嬢に嵌った男が遊ぶ金ほしさに元恋人をなぶり殺にした
神作譲を逮捕(2004)
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時効後出頭の殺人犯(2004)
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竹ノ塚駅の踏切事故関連(2005)
あの事故は果たして個人の単なる“ミス”だったのか?
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「 ★「ルポ 下層社会」を読んだ 」 の記事一覧
2006.12.31 Sun
「ルポ 下層社会」を読んだ…その1
「小泉構造改革」「下流社会」「就学援助42.5%」

落語の高座には三題噺といのがある。お客さんから3つのお題をもらい、それをネタに噺をつくる即興落語である。高校・大学試験や文章講座でもこの三題噺を使った問題が出題されたりするので、ご存知の方も多いことだろう。

3つの単語(キーワード)を文章に入れ、理論を構築するわけだが、たとえまったく関連性のないキーワードであっても、いかに関連付けて論を組み立てることができるかなど、文章力や論理力を試される。

文藝春秋4月号に掲載された「ルポ 下層社会―改革に棄てられた家族を見よ」はすでにご存知の方も多いと思う(読んでいない人は図書館へ!)。「だれが「本」を殺すのか」「東電OL殺人事件」などで著名なノンフィクション作家・佐野眞一によるルポだ。

残念ながらその内容は、足立区の現状をそのまま伝えているとは言い難く、読んだ区民の多くは違和感をもったのではないだろうか?

たとえルポとはいえ、それが個性ある「人の手」によって書かれたものである以上、何らかのフィルターがかかること自体致し方ない。しかし、そのフィルター(色眼鏡)がクリアなものではなく、たとえば赤が紫に見え、白がグレーに見えるものだったとしたら…。しかも、わざとそう見える色眼鏡を選んだとしたら…。

つまり、佐野が「悪意」という色眼鏡を選んだのではないか? そう疑いたくなるような内容だったし、僕自身、最初に読んだときはそう感じた。しかし、後から「これはエンターテイメントではないか?」と強く思うようになる。

エンターテイメントというと語弊があるかもしれないが、上記にある「小泉構造改革」「下流社会」「就学援助42.5%」がまさにそれだ。

小泉構造改革…勝ち組と負け組みをつくり格差社会を生む。
下流社会…マーケティング・アナリスト三浦展によるベストセラー。
就学援助42.5%…1月3日の朝日新聞の1面に掲載された記事のなかに「足立区では42.5%が就学援助を受けている」という衝撃的な内容が記載されていた。

である。さすが、著名なノンフィクション作家だけのことはあり、落語の三題噺よろしく、なかなかユニークな論が展開されている。

たとえば、こんな記述がある。

足立区には三万二千戸あまりの都営住宅があり、(中略)なかには「閉鎖」と書かれた看板を部屋の入り口に打ちつけた都営住宅もあった。その看板は葬家が出す「忌中」の張り紙のようにみえ、閉鎖された北九州の炭鉱住宅の廃屋の風景に重なった。



僕などは電車の中でこの部分を読み、その発想の豊かさに思わず吹き出してしまったほどだ。

http://www5f.biglobe.ne.jp/~punch-ht/sakit07.html

そうそう、電車の中で読んだと書いたが、佐野によれば、

鉄道は、区の南側の縁に沿って走る常磐線と、(中略)足立区は鉄道網に関しては、陸の孤島といってよい状況に置かれている。(中略)この区の住民は、いきおいバスだけがほとんど唯一の頼りとなっている。



そうだ。さらに続く。

現在の足立区には東京タワーはおろか、地域を代表するランドマークらしきものは何もない。行けども行けども、地元のタクシー運転手でも道に迷うというのっぺりした風景が広がる。



「閉鎖」が「忌中」に見えたり、炭鉱住宅の廃屋の風景に重なろうが、「バスだけがほとんど唯一の頼り」と思おうが、また「のっぺりとした風景」と感じようが、それはノンフィクション作家である佐野個人の感想にすぎず、その想像力の豊かさについてとやかくいう筋合いはない。

ちなみに僕は、残念ながら道に迷う地元のタクシーの運ちゃんには出会ったことはない。

ただ、このイントロ(導入)部分を読めば、佐野が何を意図しているのかがわかる。つまり「小泉構造改革の犠牲者である足立区はスラム化した下層社会である」という言葉遊びなのだ。そしてその言葉遊びを成立させるために、その地に住む人々を偏見の目にさらすことも厭わないという無責任でサディステックな内容だ。

ひじょうに稚拙な手法であるにもかかわらず、いくつかのブログを見て回ると、残念なことに鵜呑みされているケースも多かった。足立区を知らない、訪れたことのない読者をミスリードすることに成功したわけだ。

「嘘を嘘と見抜ける人でないと、インターネット(掲示板)を使うのは難しい」(byひろゆき)という言葉が思い出された。

もし、このイントロ部分に「悪意や偏見はない」というのなら、妄言癖があるのかもしれない。

これ以降、レポートが展開されていくわけだが、出だしの50行を読んだだけで、一区民としては、最初からその内容の信憑性を疑わざるを得ないのだ。(つづく)

※文中・敬称略

テーマ:東京23区 - ジャンル:地域情報
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2006.12.31 Sun
「ルポ 下層社会」を読んだ…その2
下層社会の足立区? 足立区の(中の)下層社会?


あらかじめ言っておくが、これは「ルポ 下層社会」への反証ではない。「ルポ 下層社会」を読んだ僕個人の感想に過ぎない。

そもそも貧乏人が多いとか、ヤンキーや非行、就学援助や学力低下、モラルの低下は事実であり、足立区が抱える大きな問題点の1つである。

先日も、深夜12時過ぎに未就学児を連れた3組ほどの親子が居酒屋から出てくるのを見た。親が居酒屋で飲むのは勝手だが、子供を平日深夜すぎまで連れ歩くことを「異常」と感じないそんな親のモラルの低さを目の当たりにした気分だった。

さて、「ルポ 下層社会」である。

イントロから就学援助へと話は進む。先の朝日の記事にもあったように、就学援助率42.5%は突出している。ここではその多くを朝日の記事をなぞりつつ、就学援助の話は学力低下へと展開していく。

二十三区で就学援助率がもっとも低い千代田区(6.7%)の6倍以上にも及んでいる。(中略)就学援助率の高さは足立区の経済の貧困ぶりを示しているだけではない。深刻なのは、それが学力にも微妙な影を落としていることである。



一部を飛ばして…、

さらに東京都の学力調査で足立区が二十三区のなかでほとんどの科目が最低ラインであった



と述べられている。これはほぼ事実に近いことであり、改めて述べることない。ただ、佐野はここで、若干違和感のあるデータを使う。

それが東京大学学生生活委員会生活調査室が行う「学生生活実態調査」というものだ。ウェブ上で誰でもカンタンに見ることができるので、一度参照していただきたい。

http://www.u-tokyo.ac.jp/stu05/h05_j.html

佐野はこのデータを元にこんなことを述べている。

この調査を2002年以降の数字で見ると、多少の上下はあるものの、東大に在学中の学生のうち、総体的には年収750万円以上の保護者が7割を占めていることがわかる。年収950万円以上の高額所得者も、例年3割を占めている。03年の調査には、東大在学生の都内居住地分布(*)も棒グラフで示されている。足立・葛飾・荒川の東部三区が1.5%なのに対し、世田谷・渋谷・目黒の西部三区は7.4%と5倍に上っている。



(*)部分、正確には自宅から通う東大生の〜。

まず、先のサイトのデータを見れば分かることだが、「年収が750万円以上が7割」に当てはまるのは2000〜2002年の3年間の話。2003、2004年はともに6割未満である。また書かれていない部分を補足しておくと、2004年は「450万円未満が2割」いるということだ。

さらに、「都内居住地分布」も先に就学援助率がもっとも低いとして、足立区と比較された「千代区・中央・港」の三区が足立区らと同じ1.5%であることを、記しておかなければ公平さに欠けるってもんである。

http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/kouhou/1302/09.html

さすがに強引だと思ったのか佐野は、

これらのデータが、ただちに偏差値の高さと相関を示すものではない。また、東大に進むことだけが学力あるものの特権だとも、価値ある選択だとも思わない。

と。だったら最初から書かなければいいのにと思うのだが、自分に都合のいい数字ばかりを引用してまで、東大の話を載せているのは、おそらく「格差」について印象付けたかったからだろう。

さらに佐野は、教育の現場へのインタビューを試みる。ここでも、都合のいいコメントが氾濫している。曰く、小学校の校長は

「親御さんの経済レベルと学力の相関関係は、やはりあるといわざるを得ません」

といい、就学援助と学力の相関関係についての佐野の質問に対して、多くは「口ごもった」「奥歯にもののはさまったような発言」と書いている。さらに、中学校教師2人も、

「(前略)生活困窮家庭における学力不足は、間違いなく指摘できると思います」

という。もちろん佐野は、インタビューに登場した「頭が悪いのは貧乏のせい」と、自らの責任を放棄する教育者たちのレベルの低さやモラルについて言及することはない。大切なのは、それがいかに都合のいいコメントであるか。その1点に集約されるからだ。

そして、実際に就学援助を受ける家庭へのインタビューへと続く。この部分は、とても臨場感があった。夫を亡くした母子家庭、ちょっとDQNな感じのお母さんなど、貧しいながらも下町の明るさを感じた。就学援助を受けている家庭は、こんな感じなのかなーっと思った。もちろん、それは足立区に限った話ではないが…。

ただ、どうしたわけか話は主婦売春へと飛躍していく。

民主党の藤田幸久も自身の日記のなかで、

今話題になっている格差と庶民の生活ぶりの実態をそれなりにルポしているが、後半には、「安い人妻交際の相場」といった、週刊誌の風俗記事のような記載まであり、この記事の信頼度とバランスを崩している。



http://www.y-fujita.com/aydiary/aydiary.php

と書いている。僕もそう感じた。(未完)

※文中・敬称略

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